どんぐりの木を育てる
2008.12.04 Thursday
自然を搾取するだけではなんだか後ろめさたを感じていましたので、今度は還元しようと思い、以前のエントリで収穫したどんぐりを試しに植えています。

どんぐりは乾燥すると発芽力が落ちちゃうようなので、収穫したら直ぐに蒔くか、1・2日水につけて沈んだ、茶色で色艶の良い殻が堅くて穴の開いてない(穴が開いているのは虫食い)のを選んで蒔いたほうが良いようです。
しかし、沈んだどんぐりにも虫食いがあるので、実際殻を割ってみないとわからないかもしれません(植えようとするどんぐりの殻を割っちゃいけませんヨ)。
土が乾かないように適度に水やりをして、マテバシイの発芽は随分遅いようなので後は気長に発芽を待つだけ。
どんぐりのなる木は秋には落ち葉を落として土壌微生物のエサになり、またフカフカのクッションとして雨水を吸収するので、土砂が雨に流されるのを防いだりする水源涵養林として大切な役目を持っています。
また、落ち葉は腐葉土となり、それが発酵してフルボ酸という物質ができます。
このフルボ酸には金属イオンと結びつきやすいカルボキシル基が多く、これが無酸素状態でイオン化した鉄と結びつくと、化学的に安定したフルボ酸鉄になって、雨が降ると森から川に流れ出し、海へと運ばれます。
これは海中の植物プランクトンが光合成を行うのに必要なものですが、鉄や海中で絶えず不足しており、陸、とりわけ森林の腐葉土が供給源として重要な役割を担っています(1)(2)。
フルボ酸鉄は植物プランクトンに取り込まれて光合成の役割を担い、二酸化炭素を吸収して酸素に替えるほか、動物プランクトンやそれを食べる小魚、またさらにその小魚をたべるより大きな魚たちも集まってきて豊かな漁場となるだけではなく、魚たちのエサや棲みか、産卵場所にもなる海藻にも必要なものです。
もし、30万トンほどの鉄を植物プランクトンの増殖に100%利用できたら、毎年蓄積される二酸化炭素100億トンの半分以上の65億トンを有機物に変換できるともいわれています(3)。
どんぐりをつける木はシイやカシなどのブナ科で、温帯ではブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹、暖帯ではシイやカシ類など常緑の照葉樹で、沖縄のどんぐりの木はこちらに入ります。
腐葉土には葉が厚くて発酵に時間がかかる照葉樹よりも、落葉広葉樹のほうが良いとのことですが、マテバシイやスダジイ(イタジイ)などの照葉樹の落ち葉は分解が遅いので葉の形が後まで残り、土壌改良剤として優れているとか(4)。
沖縄ではクヌギやミズナラは自生しておらず、年中温暖で有機物の分解が早いので自生している照葉樹の腐葉土のほうが持ちはいいかも。なんて独断ですが。
落葉といえば、櫨の木は沖縄では数少ない落葉樹ですが、櫨の落ち葉で作った腐葉土は利用できないものかと考えています。
もっとも相当な量を確保しなければなりませんが。
地球温暖化の問題で、二酸化炭素を植物の光合成によって酸素に替えるために植樹することは当然大切なことですが、海の底にあるもう一つの森林に目を向ける必要もあるようです。
今年はバイオエタノール生産原料としてトウモロコシの値が高くなって、酪農畜産に大きな打撃を与えました。
そのため、トウモロコシなど輸入飼料に変わるほかの飼料が求められていますが、どんぐりは家畜の飼料としても高い可能性を秘めているようです。
スペインではコルク樫のどんぐりで肥育させたイベリコ豚の肉は高級食材として有名ですが、国内でもどんぐりをエサとして与えた豚肉の商品化が進められています。
皮のついたマテバシイを1日に1キログラム、56日間ブタに与えてその肉質を調査したら、筋肉内脂肪の脂肪酸組成が、パルミトレイン酸とオレイン酸など一価の不飽和脂肪酸が増え、リノール酸やリノレン酸、アラキドン酸の減少があったそうです。
どんぐりを食べさせることによってブタの体内で脂質代謝が起こって、豚肉中の脂肪酸の種類に変化したと考えられているようです。
さらにどんぐりを与えた豚肉は試食でも美味しいとの評価があったようです(5)。
それに粉砕どんぐりを与えたブタの肉質検査では肉色が明るく、脂肪色も白く、おまけにビタミンEの含量も多い結果となったようです(6)。
その他にも鳥取県ではどんぐりを生かして様々な特産品があり、どんぐりのデンプンは米などのデンプンに比べて糖に変わる速度が遅いので、健康的な食材としての利用価値を高めています(7)。
以上、どんぐりにまつわるエコと未利用資源の活用うんぬんを語ってみましたが、肩に力を入れてエコると長続きしそうにないんで、野山を散策してちょっとしたゴミを回収したり、拾ったどんぐりを植えて芽ばえを待ち望んだり、サイトでどんぐりレシピを検索して作ってみたりして知識を少しずつ蓄えて楽しみながら行動したほうが前向きでいろいろ個人的なアイデアやノウハウが活かせるかもしれません。
出典
(1)森と海の共生ネットワーク
http://blog.livedoor.jp/symforsea/archives/cat_50036469.html
(2)海は、鉄不足?
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/populi/edition15/P04_P05_u.htm
(3)二木けんじ県政報告 [sometimes]鉄が地球温暖化を防ぐ。(続編)魔法のフルボ酸
http://17238147.at.webry.info/200808/article_3.html
(4)http://www.nhk-book.co.jp/engei/news/hanaichi_2005.html
(5)山内直子 中小家畜試験場 どんぐり給与豚の肉質
http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/76407/16_26.pdf
(6)http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/126271/01.pdf
(7)どんぐり商品|特産品倶楽部
http://www.tokusanhin.jp/products/tottori/118/
*ミニブブタちゃんを買っている方で公園の散歩中にどんぐりを食べてしまって大丈夫かと心配な方には下記のサイトに豊富な体験談が載せられていますので、オススメします。
「どんぐりは有毒か?」
http://www.geocities.jp/popililyyokohama/repo54.htm
また、どんぐりの種類別による成分表もあり、どんぐりレシピを考えている方も一読をオススメいたします。

どんぐりは乾燥すると発芽力が落ちちゃうようなので、収穫したら直ぐに蒔くか、1・2日水につけて沈んだ、茶色で色艶の良い殻が堅くて穴の開いてない(穴が開いているのは虫食い)のを選んで蒔いたほうが良いようです。
しかし、沈んだどんぐりにも虫食いがあるので、実際殻を割ってみないとわからないかもしれません(植えようとするどんぐりの殻を割っちゃいけませんヨ)。
土が乾かないように適度に水やりをして、マテバシイの発芽は随分遅いようなので後は気長に発芽を待つだけ。
どんぐりのなる木は秋には落ち葉を落として土壌微生物のエサになり、またフカフカのクッションとして雨水を吸収するので、土砂が雨に流されるのを防いだりする水源涵養林として大切な役目を持っています。
また、落ち葉は腐葉土となり、それが発酵してフルボ酸という物質ができます。
このフルボ酸には金属イオンと結びつきやすいカルボキシル基が多く、これが無酸素状態でイオン化した鉄と結びつくと、化学的に安定したフルボ酸鉄になって、雨が降ると森から川に流れ出し、海へと運ばれます。
これは海中の植物プランクトンが光合成を行うのに必要なものですが、鉄や海中で絶えず不足しており、陸、とりわけ森林の腐葉土が供給源として重要な役割を担っています(1)(2)。
フルボ酸鉄は植物プランクトンに取り込まれて光合成の役割を担い、二酸化炭素を吸収して酸素に替えるほか、動物プランクトンやそれを食べる小魚、またさらにその小魚をたべるより大きな魚たちも集まってきて豊かな漁場となるだけではなく、魚たちのエサや棲みか、産卵場所にもなる海藻にも必要なものです。
もし、30万トンほどの鉄を植物プランクトンの増殖に100%利用できたら、毎年蓄積される二酸化炭素100億トンの半分以上の65億トンを有機物に変換できるともいわれています(3)。
どんぐりをつける木はシイやカシなどのブナ科で、温帯ではブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹、暖帯ではシイやカシ類など常緑の照葉樹で、沖縄のどんぐりの木はこちらに入ります。
腐葉土には葉が厚くて発酵に時間がかかる照葉樹よりも、落葉広葉樹のほうが良いとのことですが、マテバシイやスダジイ(イタジイ)などの照葉樹の落ち葉は分解が遅いので葉の形が後まで残り、土壌改良剤として優れているとか(4)。
沖縄ではクヌギやミズナラは自生しておらず、年中温暖で有機物の分解が早いので自生している照葉樹の腐葉土のほうが持ちはいいかも。なんて独断ですが。
落葉といえば、櫨の木は沖縄では数少ない落葉樹ですが、櫨の落ち葉で作った腐葉土は利用できないものかと考えています。
もっとも相当な量を確保しなければなりませんが。
地球温暖化の問題で、二酸化炭素を植物の光合成によって酸素に替えるために植樹することは当然大切なことですが、海の底にあるもう一つの森林に目を向ける必要もあるようです。
今年はバイオエタノール生産原料としてトウモロコシの値が高くなって、酪農畜産に大きな打撃を与えました。
そのため、トウモロコシなど輸入飼料に変わるほかの飼料が求められていますが、どんぐりは家畜の飼料としても高い可能性を秘めているようです。
スペインではコルク樫のどんぐりで肥育させたイベリコ豚の肉は高級食材として有名ですが、国内でもどんぐりをエサとして与えた豚肉の商品化が進められています。
皮のついたマテバシイを1日に1キログラム、56日間ブタに与えてその肉質を調査したら、筋肉内脂肪の脂肪酸組成が、パルミトレイン酸とオレイン酸など一価の不飽和脂肪酸が増え、リノール酸やリノレン酸、アラキドン酸の減少があったそうです。
どんぐりを食べさせることによってブタの体内で脂質代謝が起こって、豚肉中の脂肪酸の種類に変化したと考えられているようです。
さらにどんぐりを与えた豚肉は試食でも美味しいとの評価があったようです(5)。
それに粉砕どんぐりを与えたブタの肉質検査では肉色が明るく、脂肪色も白く、おまけにビタミンEの含量も多い結果となったようです(6)。
その他にも鳥取県ではどんぐりを生かして様々な特産品があり、どんぐりのデンプンは米などのデンプンに比べて糖に変わる速度が遅いので、健康的な食材としての利用価値を高めています(7)。
以上、どんぐりにまつわるエコと未利用資源の活用うんぬんを語ってみましたが、肩に力を入れてエコると長続きしそうにないんで、野山を散策してちょっとしたゴミを回収したり、拾ったどんぐりを植えて芽ばえを待ち望んだり、サイトでどんぐりレシピを検索して作ってみたりして知識を少しずつ蓄えて楽しみながら行動したほうが前向きでいろいろ個人的なアイデアやノウハウが活かせるかもしれません。
(1)森と海の共生ネットワーク
http://blog.livedoor.jp/symforsea/archives/cat_50036469.html
(2)海は、鉄不足?
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/populi/edition15/P04_P05_u.htm
(3)二木けんじ県政報告 [sometimes]鉄が地球温暖化を防ぐ。(続編)魔法のフルボ酸
http://17238147.at.webry.info/200808/article_3.html
(4)http://www.nhk-book.co.jp/engei/news/hanaichi_2005.html
(5)山内直子 中小家畜試験場 どんぐり給与豚の肉質
http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/76407/16_26.pdf
(6)http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/126271/01.pdf
(7)どんぐり商品|特産品倶楽部
http://www.tokusanhin.jp/products/tottori/118/
*ミニブブタちゃんを買っている方で公園の散歩中にどんぐりを食べてしまって大丈夫かと心配な方には下記のサイトに豊富な体験談が載せられていますので、オススメします。
「どんぐりは有毒か?」
http://www.geocities.jp/popililyyokohama/repo54.htm
また、どんぐりの種類別による成分表もあり、どんぐりレシピを考えている方も一読をオススメいたします。
posted by: ぷりりん/まりりん | ありんくりん | 18:26 | comments(4) | trackbacks(0) |



